三重県は、週休2日制工事やICTに対応した新たな公共工事設計積算システムを7月から試験運用する。新しいシステムは現行と同様に県内全29市町と4団体で共同で利用。システム構築の最終段階を迎えており、試験運用開始時にルールや様式などのフォーマットを示したい考えだ。新機能として積算作業の外部委託機能などが盛り込まれる。
現行システムでは、週休2日制工事やICT工事に掛かる経費の自動計算ができないこと、積算基準の解釈の誤りや改訂漏れなどが課題として挙がっていた。これらを解消するため、新システムには@施工箇所が点在する工事の積算機能A週休2日制工事の積算機能B積算作業の外部委託機能C国土交通省「工期設定支援システム」との連携機能D作業日数積み上げ支援機能E建設産廃物等運搬処分費の経済比較(GIS利用)―といった機能を導入する。
このうち、三つ目の積算作業の外部委託機能を導入する理由に、積算作業に追われ、若手育成ができていないことなどを挙げる。外部に委託することで、負担を減らし、若手育成に掛ける時間を確保したい考えだ。外部委託を行えば、企業の受注機会拡大につながるが、受注量の増加に対応しきれるか不透明なところもあるため、慎重に進めながら検討する。
7月から試験運用を開始し、10月1日から本格運用を開始する予定だが、上期に積算した分は現行システムを使用して契約などを行う。新システムの運用期間は26年9月30日までの5年間。現行システムは日立システムズ製で、新システムが東芝デジタルソリューションズ製。
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建通新聞社