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建通新聞社(中部)
2021/05/07

【岐阜】可児市 冨田成輝市長に聞く 2021年度事業展望


   可児市 冨田成輝市長に聞く 2021年度事業展望

      ◆可児御嵩IC工業団地の道路整備へ◆
      ◆土田渡多目的広場や地区センター整備も推進◆


 岐阜県中南部に位置する可児市。冨田成輝市長は2010年の就任以来、「安心なまち」「元気なまち」「楽しいまち」をつくるために、教育、福祉、産業、文化、スポーツ、健康などさまざまな施策に取り組んでいる。新型コロナウイルス流行という国難に見舞われる中、可児御嵩インターチェンジ(IC)工業団地開発事業など可児市の21年度事業について話を聞いた。(聞き手は岐阜支局=垂水秀幸)冨田成輝可児市長

 ――まずは21年度当初予算全体について話を伺いたい。

 「新型コロナウイルスの流行がまだ収まっていないことなどから税収が落ち込み、21年度当初予算の一般会計は21億7000万円減の293億8000万円となった。製造業を中心とした産業の発展や企業進出によってこれまで可児市は10万人規模の都市としては税収が好調だった。それだけにコロナの影響は大きい」

 「また文化創造センター大規模改修など既存大型事業が一段落し、次の大型事業開始までの狭間期間となっている」

 ――次は21年度の主要建設事業について伺いたい。

 「21年度の主要事業は、可児御嵩IC工業団地開発事業、土田渡多目的広場整備事業、地区センター改修事業の三つだ」

 「可児御嵩IC工業団地開発事業では、アプローチ道路の整備を行う。雇用や税収を確保するためにも本事業は重要だ。名古屋、豊田圏に近いという立地条件を活かし、企業誘致に向け事業を進めていく」

 「14年度に基本計画を策定し進めてきた土田渡多目的広場整備事業では、駐車場やトイレ、遊具などの整備を行い、22年3月の完成を目指す」

 「22年放送予定のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』ではクライマックスの舞台の一つが可児市だ。そのタイミングに合わせて土田渡多目的広場の供用ができればと考えている」

 「地区センター改修事業では、今渡地区センターと広見東地区センターで空調設備の更新を行う他、帷子地区センターで外壁補修などを行う。この空調改修を持って市内地区センターの空調改修は一端終了する」

 ――この他の建設事業としてはどのようなものがあるか。

 「道路整備では、可児駅の西側へのアクセス向上を目指して市道117号線道路改良事業が、22年度完成に向け着実に進行している。橋梁の長寿命化修繕工事も年に2〜3基のペースで進める」

 「河川改良では、室原川の改修事業に着手するため基本設計を行う他、今川や中郷川で土砂浚渫を実施する」

 「また長年検討されていた可児市運動公園の再整備がついに始まる。再整備では土グラウンドの人工芝への張り替えや照明設備の改修などを行う予定で、今年度は実施設計を行う」

 「この他、東海環状自動車道の可児地区付加車線設置・4車線化事業の促進を関係機関へ働き掛ける」

 ――新型コロナウイルス流行への対策はどうか。

 「みなさんに注意してもらった結果、工事が止まったことはなく公共施設や学校内での感染伝播もなかった。しかし可児市は流行地域とのつながりが深く、引き続き警戒の必要がある。マスク着用や手洗いの実行、三密の回避、定期的な消毒など、感染予防対策をこれまで通り徹底するようお願いする」

 ――最後に地元建設業界へメッセージを。

 「豪雨など近年の異常気象ではいつも迅速な対応をしてもらっており感謝している。『令和2年7月豪雨』では木曽川の水位が上がり警戒態勢を敷いてもらった。新型コロナウイルスの収束にはまだ至っていないが、その間にも社会基盤の維持整備を行わなくてはならない」

 「近年の建設業界は担い手不足や高齢化などの課題がある。労働環境改善のため、発注者としても適正な公共事業の執行に取り組む。建設業なくして市民の安全は守れない。これからもよろしくお願いしたい」

  提供:建通新聞社