国土交通省四国地方整備局は、四国横断自動車道「宿毛〜内海」間の都市計画決定要請書を高知県と愛媛県に提出した。新規事業化に向けた手続きの一環で、これを受け両県が都市計画案の作成に着手する。都市計画決定には1年程度を見込んでいる。
四国横断自動車道「宿毛〜内海」間は、中村宿毛道路終点の宿毛和田インターチェンジ(IC)から愛媛県愛南町柏の内海IC(仮称)までの計画延長約29`、幅員12bの自動車専用道路。宿毛市に宿毛新港IC、愛南町に一本松IC、城辺IC、御荘IC(IC名はいずれも仮称)を新設する。
四国地方整備局が作成したルート帯によると、市街地(集落)のできるだけ近くを通る案を採用し、地域の防災拠点や観光地、流通施設と円滑に連絡できることを考慮しICを配置する。宿毛市内では重要港湾に指定されている宿毛港近くにICを設け、災害時の緊急物資を船舶で輸送する際のアクセスを向上させる。
高知県では今後、宿毛市側の路線計画作成に入る。ルート案やトンネル、橋梁などの構造物を都市計画原案の中に盛り込む。合わせて県道宿毛城辺線からICへのアクセス道についても案をまとめる。
4月21日に高知県庁土木部長室で行った手交式は、四国地方整備局と愛媛県庁、愛南町の4カ所をウェブでつなぎ同時進行で開催した。四国地方整備局の鈴木学道路部長は「四国西南部での最後のミッシングリンク区間となる宿毛〜内海間の事業化への着実な一歩として、事業者素案を愛媛、高知両県に提出した。地域の協力を得ながら災害に強い高規格道路ネットワークの構築など、早期整備に向けた取り組みを進めたい」とあいさつ。これに対し高知県の森田徹雄土木部長は、「これから宿毛市、愛媛県、愛南町と連携し着実、円滑に都市計画決定につなげていきたい」と関係者への協力を求めた。
提供:建通新聞社