高知県内の11市長で構成する「高知県市長会議」は、4月16日に宿毛市で開いた会議で、南海トラフ地震などの防災対策や四国8の字ネットワークの早期実現など28の議案を採択した。今後、全国市長会を通じて国に要望する。
ハード整備に対する要望事項では、須崎市の楠瀬耕作市長が、防災・安全交付金事業について、道路舗装の老朽化対策を進めるため、オーバーレイ工法による表層修繕が実施できるよう交付対象の拡充を求めた。また「市内にある災害拠点病院の津波浸水区域外への移転が急務」として、総合的な支援制度の創設を要望した。
香美市の法光院晶一市長は、国土交通省が流域治水の推進方針を取りまとめたことを踏まえ、関係機関が迅速に対応できる体制づくりと予算確保を求めた。
香南市の清藤真司市長と四万十市の中平正宏市長は、土砂災害特別警戒区域の指定に伴う補助制度について言及。清藤市長は自治体が区域内での事前対策を行うための補助事業の新設を要望、中平市長は急傾斜地崩壊対策事業の採択要件緩和とそれに伴う財政措置、土砂災害特別警戒区域にある住宅や建築物の改修・移転に向けた支援制度の拡充などを求めた。
安芸市の横山幾夫市長と宿毛市の中平富宏市長は四国8の字ネットワークの早期実現について触れ、必要な予算確保と事業中区間の早期整備、未事業化区間の早期事業化が必要とした。また横山市長は、市が津波浸水区域外に新たな水源地整備に向けた調査を進めているが、現状では国の補助制度が適用できないとして財源措置を要望した。
南国市の平山耕三市長は、昨年6月に公布された「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律」により、市街化調整区域内の災害リスクの高い区域で住宅などの開発許可が厳格化されたことを受け、地方自治体の都市構造や特性を踏まえた柔軟な対応を訴えた。
土佐市の板原啓文市長は、学校整備に係る補助単価の引き上げを要望。実勢単価とのかい離の見直しを求めた。合わせて改築・大規模改造の補助要件緩和、部分的または小規模な改修工事に対する財政支援も要望した。
市長会議は毎年春と秋に開いており、春は国、秋は県への要望事項をまとめている。
提供:建通新聞社