多賀町は、老朽化により隣地で「こども園」として改築することが決まっている久徳地先の「多賀幼稚園」について今年度、指名型プロポーザルを行い新園舎の設計案を選定する方針だ。5月にも10社程を指名し提案審査・プレゼン審査を経て7月にも設計担当を選定し、年度内の設計完了から22年度(令和4年度)の建築本体工事、23年(令和5年)4月の新園舎開園を目指している。
21年度(令和3年度)当初予算に措置した認定こども園建設事業費7061万円のうち、約4000万円をプロポ経費および設計委託料に充て、約2000万円で工事の進入路となり今年度先行整備する道路部分(車道幅約5b、全幅約7・5b、延長約80b)の工事を8月にも発注する見通し。なお道路部分の設計は庁内で進めている。
プロポーザルは現時点では、多賀こども園と同等・以上の実績を持つ県内業者や、多賀町における実績のある県外業者を10社程度指名し、5月中にも参加表明を経て6月にも提案書提出、7月のプレゼン審査から選定委員会での最優秀案の選定としたい考えだ。
多賀町には現在、多賀幼稚園と多賀ささゆり保育園、18年(平成30年)4月に旧大滝保育園と旧たきの宮保育園が統合して新たにオープンした幼保一体化施設「大滝たきのみや認定こども園」の3つの小学校就学以前の園児が通う公立の幼児教育施設があり、社会福祉法人等が管理・運営する私立(民間)の幼稚園・保育園は設置されていない状況。
多賀幼稚園(多賀町久徳348)は、昭和53年9月に竣工し翌年4月からオープンした旧久徳保育園の施設を利活用して、当時は幼稚園が無かった多賀小学校区の住民からの強い要望を受け、02年(平成14年)から定員90名規模の幼児教育施設として開設された。
建築年度が昭和53年と古く施設の老朽化が課題となっている現在の園舎は、S造平屋建、699・82平方b規模。開園以来、大規模な改修工事は実施されておらず現在に至っており、2歳児から5歳児までの園児が通園している。
町教育委員会では、多賀幼稚園の建替えや改修等の老朽化対策を含め、町内における全体的な幼児教育施設のニーズや施設のあり方、運営などを検討し、老朽化した園舎対策等を盛り込んだ基本構想を19年度(令和元年度)事業で取りまとめた。構想策定は庁内で行った。
基本構想の結果、同園については隣地で定員140名程の「こども園」としての改築方針を決定。方針を受け20年度(令和2年度)は対象地の測量を委託し完了(鈴鹿設計事務所)、21年度(令和3年度)は建設用地取得、指名型プロポーザルによる新園舎の設計案の選定から設計、進入路の道路部分の設計・施工を進め、22年度(令和4年度)に新園舎の本体工事を発注・着工し、年度内に完了。23年度(令和5年度)当初の新園舎供用開始とともに、現園舎の解体工事と跡地の駐車場整備を計画している。
提供:滋賀産業新聞