愛媛県は、決壊により周辺の区域に被害を及ぼす恐れがある「防災重点農業用ため池」について、本年度から10年間で711カ所の劣化状況評価や150カ所の地震・豪雨性能評価、196カ所の防災工事を進めるとともに、5年間で42カ所の廃止工事を推進する。劣化状況評価と地震・豪雨耐性評価、受益面積5f以上の防災工事などを県が、廃止工事と受益面積5f未満の防災工事は市町がそれぞれ担当する。
県はこのほど、2021〜30年度の10年間を計画期間とする「防災重点農業用ため池に係る防災工事等推進計画」を策定。県内に1755カ所ある防災重点農業用ため池について、防災工事等の実施状況を踏まえ、計画期間を前期の5年、後期の5年に分け、それぞれ必要な劣化状況評価、地震・豪雨耐性評価、防災工事・廃止工事を計画的に実施することにした。
劣化状況評価、地震・豪雨耐性評価を実施する711カ所については前期に360カ所、後期に351カ所実施する。地震・豪雨耐性評価を優先的に実施すべきため池150カ所は前期に75カ所、後期に75カ所でそれぞれ評価する。
196カ所の防災工事については、前期に121カ所、後期に75カ所に分け実施することにしているが、防災工事が完了するまでの当面の間は、低水管理のための洪水吐スリット設置や漏水防止措置、損傷箇所の補修、パトロール等の管理・監視体制の強化といった応急的な対策も視野に入れる。管理・監視体制にはICTなどの技術を駆使する考えで、遠隔監視できる水位計や監視カメラの設置を検討することにしている。
提供:建通新聞社