高知県と県内市町村は、国の補助事業「道路メンテナンス事業」を活用し、橋梁やトンネルなど道路構造物の修繕工事、設計、点検などを推進する。国からの補助を含む2021年度の県全体の総事業費は、橋梁が70億8800万円、トンネルが13億6100万円、道路付属物などが2億0600万円。橋梁331橋、トンネル99カ所、道路付属物など6カ所を対象に修繕工事と設計を実施する。
修繕を行うのは、主に14〜18年度に実施した1巡目の点検または19年度以降に実施した2巡目の点検により、早期措置段階のV判定を受けた橋梁、トンネルが対象。一部、予防措置段階のU判定の構造物でも修繕を進める。
高知県管理の橋梁は、73橋で修繕に向けた工事や設計を実施し、旧道で使用されていない3橋を撤去する。修繕工事を実施する主な橋梁は国道321号の松田川橋(宿毛市)、下の加江橋(土佐清水市)など。県管理のトンネルは84カ所が対象で、国道321号の歯朶ノ浦トンネルなどで修繕工事を進める。また在来工法で建設したトンネルで空洞調査を実施する。県管理の道路付属物などは6カ所が対象で、うち国道195号の高須歩道橋は撤去する。
市町村管理では、田野町を除く自治体で事業費を計上した(安田町、日高村は点検のみ)。対象の橋梁、トンネルの多くは修繕だが、室戸市の東ノ川橋など11橋で架け替え工事や設計を実施する。
道路メンテナンス事業は20年度に創設。道路構造物の老朽化対策に特化した補助制度で、財源不足の地方自治体にとって大きな予算措置となっている。提供:建通新聞社