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建設新聞社(長崎)
2021/04/21

【長崎】電源開発・松島火力発電所にガス化設備増設

24年着工へ今秋にもアセス開始
   国内初の商用化 50万`h級26年の運転開始へ

 電源開発梶i本社・東京都中央区)は、西海市の松島火力発電所を高効率化するガス化施設を増設する計画だ。2024年の着工に向け、早ければ今年秋に環境影響評価手続きに着手したい考え。ガス化設備の付加による火力発電の商用化は国内初の試み。
 既存の火力発電所2号機(出力50万`h)に隣接して、酸素吹石炭ガス化複合発電(酸素吹IGCC)を整備し、既存施設をアップリサイクル≠キる。同設備では、石炭をガス化し、ボイラで熱回収して、ガス精製設備で不純物と硫黄分を除去した後、ガスタービン燃焼器で燃焼。熱回収・排熱回収ボイラにより発生した蒸気で、既存の蒸気タービンを駆動(複合発電)することで、従来の微粉炭火力発電を上回る発電効率が可能になる。
 運転開始は26年度を予定している。電源開発では、同施設でバイオマスやアンモニアを混焼しCO2のさらなる削減に繋げることも計画している。さらに、同社と中国電力鰍ェ出資する大崎クールジェン鰍ェ、瀬戸内海の大崎上島で実証を進める「CO2分離・回収型酸素吹IGCC」や「CO2分離・回収型IGFC」の今後の成果を踏まえて、第2・第3のアップリサイクルを進め、CO2を有効利用・貯留する「CCUS」と組み合わせたCO2フリー水素発電・水素製造・供給の実現に繋げたい考えだ。

<CO2フリーの第一歩・西海市がコメント>

 松島火力発電所が立地する西海市では、同計画について「CO2フリーによる水素発電・水素製造に向けた第一歩」と、歴史的意義がある計画を西海市で実施することに感謝した。また、国による2050年 脱炭素社会の実現≠フ目標を踏まえ、市としても『脱炭素社会モデル地域』を目標に掲げ、江島沖洋上風力発電の推進と併せて、松島火力発電所の高効率発電システムへの転換を国や電源開発に要望してきたことに触れ「(今回の計画発表が)目標実現への大きな一歩」とし、全力を挙げて取り組む姿勢を示した。ksrogo