熊本県は、令和2年7月豪雨の土砂災害対策で新たに取り組む砂防激甚災害対策特別緊急事業(激特)と特定緊急砂防事業(特緊)の計画概要を明らかにした。県南地域を中心に堰堤工15カ所と渓流保全工10カ所の整備を進め、全体事業費は約86億円に上る。初年度となる今年度事業費には激特8億7200万円、特緊1億1000万円が付き、測量設計や用地確保、一部工事用道路整備に乗り出す。
豪雨により、県内223カ所で土砂災害が発生した。県は現在、災害関連緊急砂防事業(災関緊)で堰堤の整備を進めているが、再度の災害防止を図るため、激特と特緊事業を活用し、新たに堰堤15カ所と渓流保全工10カ所の計25カ所を整備する。このうち16カ所は、災関緊事業と同一箇所に追加整備するかたちとなる。
全体事業費の内訳は激特約80億円、特緊約6億円。事業期間は今年度から2025年度までの5年間。地域別でみると、八代市1カ所、天草市1カ所、小国町1カ所、芦北町8カ所、津奈木町3カ所、球磨村8カ所、山江村1カ所、湯前町2カ所となっている。
激特と特緊事業の計画概要は次のとおり(@工種・今年度事業費A災関緊事業・堰堤概要)
【八代市】
▼行徳川(坂本町葉木)=@渓流保全工、2000万円A透過型1基(堤長51・5b、堤高8b)、2億8500万円
【天草市】
▼魚貫第二(魚貫町)=@渓流保全工、2500万円A不透過型1基(堤長88b、堤高8b)、4億2000万円
【小国町】
▼弥太郎谷1(黒渕)=@渓流保全工、2500万円A透過型1基(堤長74b、堤高13b)、4億2000万円
【芦北町】
▼小崎川(女島)=@砂防堰堤工、6000万円A透過型1基(堤長66b、堤高10・5b)、3億9000万円
▼上平生川1(女島)=@渓流保全工、2000万円A透過型1基(堤長75b、堤高11b)、3億6000万円
▼園口川(八幡)=@砂防堰堤工、4200万円A透過型1基(堤長65b、堤高7b)、3億6000万円
▼乙千屋川(乙千屋)=@渓流保全工、1500万円A透過型1基(堤長59b、堤高7・5b、4億2000万円
▼赤江川(田川)=@砂防堰堤工、1000万円A透過型1基(堤長39・5b、堤高10・5b)、3億円
▼箙瀬川(箙瀬)=@砂防堰堤工、4000万円
▼上箙瀬川(箙瀬)=@砂防堰堤工、4000万円
▼管無田川(桑原)=@渓流保全工、1000万円A透過型1基(堤長37b、堤高10b)、3億円
【津奈木町】
▼大坪川1(福浜)=@渓流保全工、1000万円A透過型1基(堤長53b、堤高10・5b)、3億9000万円
▼大坪川2(福浜)=@砂防堰堤工、4000万円
▼大坪川3(福浜)=@砂防堰堤工、4000万円
【球磨村】
▼川内川(神瀬)=@砂防堰堤工、1億5000万円A不透過型1基(堤長95b、堤高14・5b)、11億4400万円
▼上原谷(神瀬)=@砂防堰堤工、2000万円
▼木屋角(神瀬)=@砂防堰堤工、3500万円
▼小川(渡)=@砂防堰堤工、1億円A透過型1基(堤長46b、堤高7・5b)、1億7900万円
▼中園川(渡)=@砂防堰堤工、9000万円
▼板崎川(渡)=@砂防堰堤工、6000万円A既存堰堤嵩上1基(透過型、堤長44・5b、堤高13b)、嵩上高4b、1億8000万円
▼宮園(宮園)=@砂防堰堤工、5000万円
▼堤(神瀬)=@砂防堰堤工、5000万円
【山江村】
▼番慶2(山田)=@渓流保全工、1000万円A透過型1基(堤長33b、堤高9・5b)、1億5000万円
【湯前町】
▼中猪1(中猪)=@渓流保全工、1000万円A透過型1基(堤長30b、堤高9・5b)、4億5000万円(中猪2を含む)
▼中猪2(中猪)=@渓流保全工、1000万円A堤長36・5b、堤高9・5b。
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