金沢城北市民運動公園(金沢市磯部町)にある「本田圭佑クライフコート」と「ジュニアスポーツコート」が今月末で使用できなくなる。市が計画する新たな市民サッカー場の建設地にあるためで、市は来月から解体工事に取り掛かる。両サッカーコートは現市民サッカー場の解体跡地に再整備する計画で、市の担当者は「早くても4、5年後になるだろう」と話している。
クライフコートは2011年8月に完成。星稜高校出身でサッカー元日本代表・本田圭佑選手のオランダリーグ時代の活躍を称え、ヨハン・クライフ財団の寄附を受けてアジアで初めて設置された。ピッチは全面に人工芝を張り、大きさは42メートル×28メートルと通常の少年用サッカーコートの半分程度。常設のゴールを備え、四方をフェンスで囲み、キッズサッカーやフットサルなどで使用されている。
園路を挟んで整備されたジュニアスポーツコートは13年3月にオープン。こちらも人工芝で、ピッチの大きさは通常の86メートル×56メートル。防球フェンスやネットが設置され、ベンチ上には雨除けのシェルターが備わる。小学生までが使用でき、練習試合をはじめ公式戦も開かれている。
市は両コートの解体作業において、人工芝は再利用できないが、フェンスなどで痛みが少ない部材は保管し、再整備時にリサイクルして活用するという。解体作業は9月末までを見込み、その後、解体跡地を含めた敷地一帯で新サッカー場の建設に着手する。
新サッカー場の工期は今から約2年半後の23年秋ごろを予定。その後、現サッカー場を取り壊し、再整備のための設計から工事に着手するため、コートの完成時期は順調に行っても4、5年後となる計算だ。ただ、予算との兼ね合いもあり、コロナ禍で先が見えない状況を考えると、流動的な情勢にある。
市は、この間の代替施設について、現市民サッカー場に隣接するスポーツ交流広場や金沢南総合運動公園(富樫町ほか)の球技場、県のまめだ簡易グラウンドサッカー場(大豆田本町)などを有効に活用してほしいとしている。
金沢市サッカー協会の副会長を務める坂本泰広市議は、両コートが一時使用できなくなることについて、「本田選手のお陰でクライフコートや金沢大学ソルティーロフィールド(角間町)が整備され、市内のサッカー環境が大きく変わった。移設でしばらく使えないのは残念だが、新たなサッカー場とともにスケールアップすることを期待している。多くの人が素晴らしいプレーを観戦、応援し、もっともっとサッカー熱が高まっていってほしい」と話した。