建設新聞社
2021/04/12
【東北・宮城】本年度は基本構想・計画策定/登米市米山地区公共施設の複合化
宮城県登米市は、米山地区の公共施設の再編整備を計画しており、昨年度に行った調査の報告書をまとめた。米山総合支所など7施設を集約化した複合施設は延べ1万平方b程度を想定。本年度内に基本構想・基本計画を策定する。
公表された報告書によると、推奨スキームで設定されたPFI(BTO)方式とDBO方式(設計・建設・運営)について簡易シミュレーションを行った結果、いずれも事業費は従来型手法による34億2404万円に対し、31億2407万8000円余りとVFMが2億9996万2000円(8・8l)となり財政負担の軽減が図れるため、事業手法はDBO方式が望ましいとした。可能性調査業務はとうほくPPP・PFI協会が行った。
今後、市は本年度に基本構想および基本計画の策定、22年度に基本設計、23年度に民間事業者を公募し、24年度から25年度にかけ実施設計および工事を進める予定だ。
米山地区公共施設複合化事業は、文部科学省の「文教施設における多様なPPP/PFIの先導的開発事業」に採択事業。築後40年程度が経過し、老朽化が進む旧米山町の総合支所、公民館、体育館、小学校3校、児童館の7施設の集約化を目的とした複合施設の整備を目指している。
計画エリアと既存公共施設は、登米市米山町西野的場181地内の敷地面積約2・2fで、集約する複合施設の規模は延べ1万平方b程度を想定。多世代交流拠点として教育に力点をおいたソフト重視のコンパクトシティ・プラス・ネットワーク形成に寄与することが期待できるとしている。
このほか、道の駅米山と競合することを避けた民間収益施設の整備も盛り込まれているほか、将来的には中学校の建替えが必要となることを踏まえ、エリアの拡充なども含め継続して検討し、方針を定める必要性も示している。
市はこれまでに米山地区の公共施設の複合化に当たって、登米市公民連携地域プラットフォームを中心にワークショップを開催したほか、米山地区事業推進協議会を設置し学識経験者からの専門的な助言などを受けながら検討を進めてきた。
これまでに3回のワークショップを開催し、施設計画(学校再編・公共施設集約化拠点整備)の事業コンセプトを「学校再編にあわせた公共施設の集約による安全安心な多世代交流拠点」に設定。事業コンセプトを具現化するための複合化基本方針は▽多くの人々が訪れやすい、ニーズに沿った計画とする▽気軽に利用できるフリースペースを充実させる▽できるだけ機能を融合させ、有効活用できる施設を目指す―の3点。ワークショップで検討の結果「総合支所、公民館、体育館、小学校、児童館」を複合化対象とし、子ども園と総合保健福祉センターは、複合化の対象に含まないことにした。
提供:建設新聞社