徳島県は、「2021年度入札・契約制度の改正および運用の改善」を明らかにした。22年度以降の実施に向け事前周知する事項など一部を除き原則5月1日から適用する。主な改正点は、工事成績評定制度の見直しで、働き方改革や県土強靱(きょうじん)化などの観点から「成績評定の選択制」を試行する。総合評価落札方式では入札手続きを迅速化するため「施工能力審査型」の対象を見直し、当面の間「設計金額2億円未満の工事」に拡大する。設計金額の事前公表についても当面の間「設計金額5億円未満の工事」に拡大する。
工事成績評定制度の「成績評定の選択制」の試行対象は、請負額が500万円以上3000万円未満の工事と、委託料100万円(建築は50万円)以上500万円未満の業務(成績評定を行わない場合、工事関係書類の簡素化も合わせて試行)。また、条件不利地域で施工する工事を「難工事」として成績評定で評価(4月1日に適用開始)する。
アフターコロナを見据えた対応では、非接触・リモート型の働き方を推進するため、18年度から試行していた「遠隔臨場」を本格導入し、1日以降に契約手続きする案件に適用する。情報共有システム(ASP)を積極的に活用することとし、5月1日から設計金額1億円以上の土木工事を対象に「発注者指定型」を試行する(現行は設計金額1000万円以上の工事で受注者希望型を試行)。また、「遠隔臨場」「Web会議・Web立会」などを成績評定で評価することで浸透を加速するとともに、提出書類への押印を原則廃止して電子化を推進する。電子入札システムの運用拡大では、21年度に新たに那賀町、海陽町、勝浦町が県電子入札システムを共同利用して電子入札を導入する。
この他、建設企業や若手職員の適正な評価に向けて、建設工事の格付け制度を見直し、21年度の格付けから土木一式工事の格付点数でB等級下限値として新たに「700点」を設定。対象工事を拡大するとともに、若年労働者雇用の評価対象年齢を現行の30歳未満から「35歳未満」に見直す。
一方、22年度以降の改正点としては、23年度から「CCUS(建設キャリアアップシステム)登録企業を格付けの際に加点」する。2カ年分を審査し、22年1月1日時点加入で5点、23年1月1日時点加入で3点を加算する。また、22年度の格付けから工事成績加算率の対象工事に国土交通省四国地方整備局発注工事を追加する他、技術検定制度改正に対応し、技士補を格付けで適正に評価する。若年労働者雇用で技士補新規取得の加点として21・22年の取得を23年度の格付けから実施する。経営事項審査の制度改正に対応して、1級技士補の技術力での加点を22年度の格付けから実施することにしている。
提供:建通新聞社