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滋賀産業新聞
2021/04/12

【滋賀】彦根市 図書館「中央館」の用地決定

 彦根市は、JR河瀬駅付近で計画する新たな図書館「中央館」の用地について、清崎町地先に決定した。候補地2ヵ所から選定を進めていた選定委員会(森將豪委員長)の提言を受け、市として最終決定したもの。決定を経て21年度(令和3年度)は当初予算額1418万円で、用地確保に向けた諸手続きや、中央館整備にあたって機能や規模等を定める仕様書作成、整備手法について検討し、22年度(令和4年度)以降の基本や詳細設計、建設工事へと進めていきたい意向だ。
 彦根市図書館(中央館)用地選定委員会は、候補地として示されたいずれもJR河瀬駅近隣の市街化調整区域にある亀山学区となる清崎町地先の約4fと、川瀬学区となる南川瀬町地先の約2・5f―の民有地2ヵ所から、▽利便性▽周辺環境との調和▽土地の有効性▽事業遂行の円滑性▽経済性▽湖東定住自立圏域内のバランス―の6つの評価基準において、清崎町の用地の優位性が高いと判断した。
 なお、用地選定支援業務はサンワコン(長浜出張所)が担当。
 「中央館」は、彦根市が将来的に3つ持つ予定の図書館施設の核となる施設。17年(平成29年)3月に彦根市図書館協議会で検討しまとめた基本計画によると、彦根市域の図書館整備の考え方について、彦根市の図書館サービスの拠点となる「中央館」を新たに建設するとともに、市の北部と南部域にそれぞれの特性を生かした「地域館」を置く。
 地域館は、現在の彦根市立図書館(尾末町8―1)を「北部館」とし、稲枝地域に「南部館」を新たに建設する。また、南彦根駅西側に22年(令和4年)6月完成に向け整備工事中の仮称・彦根市新市民体育センター内に「サービスポイント」を設置。さらに、動く図書館たちばな号の巡回により、彦根市内全域を網羅した図書館システムの構築を目指す。
 中央館は、湖東定住自立圏域内1市4町の拠点となる図書館の役割を果たすとし、北部館と南部館およびサービスポイントを含めた彦根市内のすべての図書館を統括し、一体的なサービスの提供と管理運営の中心的な役割を果たす図書館と位置付ける。
 中央館の建設規模は、ゆとりのある開架スペース(収蔵15万冊)と将来に余裕をもたせた書庫(収蔵70万冊)、会議室や事務室などの配置を考慮し、延床面積は4300平方b規模程度と積算。敷地面積は、利用者の駐車場(150台分)を含めて9000平方b程度が必要とした。
 また、整備場所については、彦根市の中央部にあってJR沿線の駅に近く、道路網が整備されたところが望ましいとし、立地や用地取得の観点から判断して「河瀬学区か亀山学区」が望ましいと提案。
 一方、南部館に関しては、開架面積は500平方b程度(5万冊程度)とし、保存を目的とした書庫は設置しないとした。整備場所は、市の南部にあって公共交通機関を使った利用ができ、幅広い年齢層からの利用が見込め、一定の用地が確保できる場所として、新駅舎が整備されたJR稲枝駅西口周辺から公共施設の集積した稲枝支所周辺のエリアが望ましいとした。
 さらに北部館については、RC造2階建(一部3階建)、延2743平方b(敷地4500平方b)の現図書館に耐震診断や施設・設備の改修を行いながら引き続き使用。開架冊数8万冊に加え、書庫には4万冊の図書を置き、合わせて12万冊の蔵書が望ましいとし、100周年を迎えた図書館創設時からの貴重な資料や彦根藩関係資料などの適正な管理スペースを確保していくとした。

提供:滋賀産業新聞