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建設経済新聞社
2021/04/09

【京都】東本願寺前の市民緑地整備 国が令和3年度予算に約2億円を補助

 京都市は、下京区の東本願寺前に計画する市民緑地について、令和3〜4年度に工事を行い、令和4年度末の供用開始を目指す。
 市民緑地は、都市緑化法に定められたもので、地方公共団体等が土地所有者との合意の下、住民の利用に供する緑地又は緑化施設。京都市での整備は初めて。
 市と真宗大谷派(本山。東本願寺)が検討を進め、一体的な緑の空間として活用できるよう、市民緑地として整備することで令和元年11月に合意した。
 東本願寺門前の寺所有の緑地部分約4400uを市が借り、市道(皆山経6号線)の車道部分約5400uを合わせた合計9800uを一体的な緑の空間として整備する。なお寺所有の緑地帯は、元は僧侶の居宅だった場所。年1回開催の下京・京都駅前サマーフェスタなど、地域の活性化に活用されている。また現在ある噴水は、京都市役所などの設計を手がけた武田五一氏によって設計された大正3年築のもの。
 整備の視点は、@既存の噴水を中心とした広場を拡張し、様々な用途に活用できる屋外用電源ボックスや照明灯等を設置することで、東本願寺前の賑わいを創出する交流の場を提供Aサクラ等の季節を彩る花木を植栽し、緑地部分を芝生に整備することで、緑あふれる憩いの空間を創出B車道部分を石畳風アスファルト舗装の設えとするなど、東本願寺と調和した京都らしい風情を感じられる空間を創出C修学旅行生などのバスを一時的に収容することができる、広々とした多目的広場を緑地部分と一体的に整備することで、京都の玄関口としてふさわしいおもてなしの空間を創出D災害時にも活用できるオープンスペースを確保するとともに、トイレや給水スポットを兼ねた手洗い水洗、かまどベンチを新たに設置することで、誰もが安心して快適に過ごせる場を提供。
 緑地(噴水及び広場含む)は約4400u、多目的広場は約3000u、園路(歩行者・自転車)は約2400uとする。
 総事業費は約5億円を予定。市は令和3年度当初予算に東本願寺前における市民緑地整備事業2億3199万円を確保するとともに、東本願寺前市民緑地整備工事費として限度額5439万円(期間は令和4年度)を設定した。また令和2年度2月補正予算にも事業費を計上した。ふるさと納税やクラウドファンディングで寄付を募り、財政負担の軽減を図る。
 市は、市民緑地予定地の北側で近畿地方整備局が進める国道24号(烏丸通)の五条〜七条間の自転車通行空間の整備との連携も図る。
 近畿地整は、令和3年度予算配分で都市構造再編集中支援事業「朱雀・本願寺地区(第2期)」に事業費約2億円を補助し、市の市民緑地整備を支援する。
 市発注の(仮称)東本願寺前市民緑地整備測量・実施設計業務委託は空間創研(京都市下京区)が担当。
 (仮称)東本願寺前市民緑地における便所棟整備工事設計業務委託ただし、建築及び設備実施設計業務委託はアイプランニング(京都市伏見区)が担当。
 (仮称)東本願寺前市民緑地における便所棟整備工事用地における地質調査業務委託は綜合技術コンサルタント(京都市南区)が担当。