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建設経済新聞社
2021/04/08

【京都】勤労者福祉会館を外部監査 廃止も含め早期検討を提言

 京都府はこのほど、令和2年度包括外部監査報告書を明らかにした。
 京都府包括外部監査人は人見敏之公認会計士。監査テーマは「勤労者福祉会館の現状と課題について」。外部監査の実施期間は令和2年6月から令和3年3月まで。監査対象は勤労者福祉会館(5ヵ所)と会館の指定管理者の職業訓練法人が会館に併設する職業訓練センター(2ヵ所)。
 会館建物に関する提言として「建物の法定点検の結果も踏まえて会館を長寿命化すべきか、近隣類似施設との統廃合を行うべきか等、施設の存続是非について早期に検討を開始し、数年内に決断を下さなければならない」と指摘。あり方を再検討する観点として、@建物・設備の老朽化による維持管理コストA利用状況(利用率、利用収入)、職業訓練を含めた利用ニーズB地元(所在地)市町への偏在度(広域利用となっているか)C代替施設の有無の4点を示した。
 施設の統廃合等の方向として、体育館併設型会館の山城会館・口丹波会館について「広域からの利用が認められ、利用率も80%を上回っていることから存続維持すべきであろうと考える。ただし口丹波会館は浸水のおそれのある場所に立地しているため、現在地で存続させる場合、一定の災害復旧費を想定する必要がある」とした。
 職業訓練併設型会館の城南会館について「会議室の利用率は約6割、利用人数はピーク時の半分以下、また利用者の6割が所在する宇治市の住民による利用となっており、その利用には職業訓練での利用が一定含まれる」「近隣に宇治産業振興センター、宇治市文化センター、宇治市生涯学習センター、城陽市の地域コミュニティセンター等の勤労者福祉会館の機能を代替し得る施設が十分にあること、更には複数の重要設備で耐用年数超過や既存不適格を外部点検業者から指摘される中で、建物を共有する国に施設存続の意思がなく、京都府も国との協議かまとまらない現状を鑑みれば、会館建物が合理的に維持しうる間に、国との調整や職業訓練を含めた地元活用について協議を進め、譲渡又は廃止を検討するべき」とした。
 丹後会館について「城南会館と類似の状況にある。施設の劣化は顕著であり、近隣に峰山地域公民館、丹後文化会館、アグリセンター大宮など類似施設もあることから、会館建物が合理的に維持しうる間に、国との調整や職業訓練を含めた地元活用について協議を進め、譲渡又は廃止を検討するべき」とした。
 会議室型会館の中丹会館について「基本的には城南会館・丹後会館と同様の状況にあると考えられる。近隣には近年竣工した市民プラザやリニューアルしたハピネスふくちやま・総合福祉会館があり、代替機能も高い水準にある。この状況下で福知山市が無条件で中丹会館を譲り受けて将来にわたる財政負担を決断する可能性は極めて低いように思われる。将来の人口減少傾向も顕著であるため、福知山市への譲渡や、近隣類似施設への役割統廃合を今から準備し、それが難しい場合には早期に廃止を決断すべき」とした。
 「コロナ禍への対応で京都府財政にも余裕がなくなる中では、事業の選別を急ぐべきと考えられる」とし、「市町村への移管又は廃止も含めて、そのあり方を検討し、令和4年度から6年度までの指定管理期間中には方向性を決定すべき」とした。
 各会館の概要は次の通り。
 山城勤労者福祉会館(井手町大字井手小字大塚99−35)はRC造一部S造平屋建、延2255u(昭和60年4月設置)。指定管理者は日本環境マネジメント梶i指定期間は〜令和3年3月31日)。
 口丹波勤労者福祉会館(南丹市八木町西田金井畠9)は、会議棟がSRC造2階建、体育館棟がSRC造一部S造平屋建、延2477・07u(昭和58年9月設置)。指定管理者は特定非営利活動法人八木町スポーツ協会(指定期間は〜令和3年3月31日)。
 城南勤労者福祉会館(宇治市伊勢田町新中ノ荒21−8)は、SRC造3階建、延1565u(昭和62年3月設置)。指定管理者は職業訓練法人城南地域職業訓練協会(指定期間は〜令和3年3月31日)。城南地域職業訓練センター(宇治市伊勢田町新中ノ荒21−8)は、城南勤労者福祉会館との合同施設で、SRC造3階建、延1099・1u(昭和62年3月設置)。
 中丹勤労者福祉会館(福知山市昭和新町105)は、RC造4階建、延1985u(昭和58年設置)。指定管理者は鰍iR西日本福知山メンテック(指定期間は〜令和3年3月31日)。
 丹後勤労者福祉会館(京丹後市大宮町河辺豊野3355)は、SRC造2階建一部平屋建、本館が延930u、S造平屋建の渡り廊下が11・05u(昭和57年4月設置)。指定管理者は職業訓練法人丹後地域職業訓練協会(指定期間は〜令和3年3月31日)。