富山県生コンクリート工業組合(酒井正人理事長)がまとめた生コン出荷状況によると、4月から3月の20年度累積出荷数量(非協組分を含む)は66万6341・58立方メートルで、対前年度比9・66%減の90・34%となった。公共事業の生コン需要の低迷などを受け、組合設立以来の最低出荷量を更新した。
同組合が設立した1978(昭和53)年度の出荷量は260万立方メートルに上ったが、98(平成10)年以降はいずれも200万立方メートルを割り込み、その後も年々減少。近年では、北陸新幹線工事のピークである10(平成22)年度に158万立方メートルを記録し持ち直したが、それ以降は徐々に減少し、14年度には初めて100万立方メートルを割り込んだ。
さらに、15・16年度は80万立方メートル台で推移していたが、17年度は70万1700立方メートルに落ち込み、過去最低の出荷量を記録。18年度は10%増の77万7500立方メートルと底を打ったと見られたが、19年度は一転、73万7600立方メートルに減少し、20年度に初めて、70万立方メートル台を下回った。
今年度も生コンの需要環境が大きく好転する材料は見受けられないため、同組合では21年度の出荷量の見通しを、対前年度比94%の62万9000立方メートルと見込んでおり、生コン業界にとっては依然厳しい経営環境が続くものと見られる。
20年度の支部別累積出荷数量(非協組含む)を見ると、新川が11万7753・22立方メートル(対前年比84・21%)、富山が27万7427・51立方メートル(同98・60%)、高岡が13万7504・25立方メートル(同76・13%)、砺波が13万3656・60立方メートル(同98・41%)となった。
JR富山駅前のホテル建設工事など、再開発事業が着々と進む富山支部と東海北陸自動車道4車線化工事の出荷が堅調な砺波支部では、概ね前年度並みの出荷量を確保したが、新川支部と高岡支部では大きく減少した。
一方、3月分の出荷数量の合計は5万6691・80立方メートルであり、同104・57%となった。内訳は、協組が同100・01%の3万9241・21立方メートル、非協組が同116・54%の1万7450・59立方メートル。
支部別の出荷数量(非協組含む)は、新川が9650・35立方メートル(同111・79%)、富山が2万5102・45立方メートル(同113・42%)、高岡が1万1541・90立方メートル(同82・37%)、砺波が1万397・10立方メートル(同110・18%)。高岡支部を除く3支部で、前年同月の出荷数量を上回った。