3月21日の第21回千葉県知事選挙で過去最多の得票を獲得し当選を果たした熊谷俊人知事が5日、初登庁後に記者会見を開き、「県民に信頼、納得していただけるような県政運営に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。選挙戦を振り返り「新型コロナウイルス対策や、災害からの1日も早い復旧・復興に特段の思いと期待を寄せていただいていることを実感している」と述べ、「目の前の喫緊の課題に取り組んでいくとともに、千葉の未来を切り開いていく施策について、職員とともに知恵を絞りながら進めてまいりたい」と力を込めた。
県政ビジョンで示している施策に関して「それぞれ、協議の上で着手していく。時間軸としてすぐやらなければいけないのはコロナ対応。スピード感を持って取り組んでいく」との方針を明かした。災害対応については「大事なことは即応態勢。災害が起きたときに知事以下が速やかに対応できる、また現場との連携がしっかりと取れるようにしなければいけない。それぞれの所管と意見交換しながら、理想的な関係をつくっていきたい。また、市町村とのホットラインを速やかに構築していきたい」と述べた。
さらに、「早い時期に被災地に行き、関係市町村から話を聞きたい。集中豪雨であれば、茂原を含めた一宮川流域だと思っている。しっかりと現場を見た上で判断を下していきたい」とした。
市町村との対話に向け、「もっと、ざっくばらんに意見交換できる機会をつくっていきたいと考えている。どのような形が望ましいのか、市長会や町村会に伺った上で決めていく。個別の政策に関しては、関係する市町村と十分に協議していきたい」との考えを示した。
千葉市との関係に触れ「互いにとって最良の結論を、トップ同士が親密な意見交換ができる関係であるがゆえにスピード感をもって実現できるというところに意味がある。私と神谷市長の関係であれば、県民・市民が納得する結論が早期に導き出せると思う」と自信を見せた。
アクアラインの通行料を800円とする措置に関して「アクアラインは千葉県の半島性を克服する上で極めて重要な戦略道路。当時の県政の意思決定を非常に尊敬している。県政ビジョンで示している通り、当然、維持していく。国からの理解も得られると思っている」との見解を示した。
会見前に行われた庁議においては「将来を見据えていこうということを話した」という。20年後、30年度を見据え、今やらなければならない施策に挑戦していこうと申し上げた」と説明した。
デジタル分野にこだわりがあるとして「県民や事業者にデジタルの恩恵を最大限、還元できるような政策や庁内体制をつくっていきたい。4月からデジタルに関する組織強化がなされており、その部分の考え方や人事についてこれから協議していくことになる。民間登用ありきではなく、まずは庁内の人材の状況を見極めていきたい」と述べた。
副知事の任期が4月と7月を満了することに絡み、「県庁が抱えている課題、そして2人のタイプを見極めた上で、今月行われる臨時議会の中で提示するために決めていく」との方向性を示した。