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建通新聞社(中部)
2021/04/03

【愛知】名市 博物館はリニューアル+官民連携で

名古屋市教育委員会は、瑞穂区の博物館の魅力向上に向けた検討で、博物館本館はリニューアル改修とし、隣接市有地を含めた全体敷地を活用して官民連携事業を展開していく方針を固めた。2021年度は、本館改修の基本計画を取りまとめるとともに、敷地全体の新設施設などの基本計画を策定する。22年度に公募要項・要求水準書の作成を進め、準備が整い次第、事業者公募手続きを進める考えだ。
 博物館は、鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上4階建て延べ1万8107平方b。1977年の完成。構造体の残存耐用年数は40年程度以上と判定されているものの、特別展に使用できる展示室の面積が1000平方b以下と小規模で、「まちの魅力アップ」につながる文化施設とは言いにくい状況にある。また、収蔵庫は満杯以上の使用率で、容量が不足しているといった課題を抱えている。敷地は1万5100平方b。
 所在地は瑞穂区瑞穂通1ノ27ノ1。
 隣接市有地は、博物館東側に所在し全体面積は3489平方b。もと幼稚園敷地(面積868平方b)や博物館臨時駐車場(同1034平方b)、市バス回転場(同1000平方b)といった用地が対象。環状線に面する博物館とは対照的に、裏通りに面しており、低利用の状態が課題になっている。
 本館のリニューアル改修では、展示・収蔵機能などを含む各機能の更新、安全対策、環境対策の基本方針を決めた上で、耐震補強や仮設・収蔵などの基本計画を決める。
 敷地全体の基本計画では、博物館の敷地という特長を生かした環境、市民の交流の場、にぎわいの創出、博物館事業と連携した事業の開催、周辺状況を踏まえた便益施設の誘致といったコンセプトを決め、施設配置などを決める。
 整備手法検討では、民間事業者を対象とするサウンディング調査を6月末までに実施。民間事業者の参入意向を把握した上で、導入する民活手法を比較評価、整備手法を決めていく考え。
 20年度にまとめた基本構想では「名古屋の歴史文化、ひと、まちをつなぎ、夢とにぎわいあふれる未来をつくる集客、交流、創造拠点としての博物館」を目指していくとしている。
 22年度以降は公募要項・要求水準書の作成後、事業者を公募。本館(特別展示室)および隣接地の新設施設は、26年アジア競技大会ごろのセミオープンを目指す。常設展などを含めた両施設のフルオープンは、博物館の開館50周年となる27年とする方針だ。

提供:建通新聞社