長浜市は、公園町の「長浜城歴史博物館」について、市内唯一の博物館法に基づく博物館として震度6〜7前後の地震に耐えられるよう、当初予算に措置した事業費1億3700万円で21年度(令和3年度)、耐震補強工事を行う。順調にいけば5月後半にもエレベーター更新を含め耐震化工事一式を一括で発注公告し、6月頃の入札から8月をメドに着工、22年(令和4年)3月の工事完了を目指す。
耐震化工事の内容は、RC造3層5階建、延べ1337・97平方b規模の博物館建物内の5階・4階・2階・地下1階にそれぞれコンクリートの補強壁を設置すると共に、3階から地下1階までを結んでいる既存エレベーターを耐火・耐震性エレベーターに更新し、耐震性・耐火性を向上させることで来館者・職員・収蔵品の安全確保と、施設の長寿命化を図る。7月末までは展示利用されるため工事のため休館する8月にも着工し、約8ヵ月間の工事期間を予定している。
琵琶湖岸の豊公園内に建つ長浜城歴史博物館(長浜市公園町10番10号)は、東京工業大学名誉教授の故藤岡通夫工学博士の設計指導により再興されて昭和58年(1983年)に竣工・開館し、毎年多くの観光客が訪れて長浜の観光名所として賑わっている。
平成28年に展示室等のリニューアル工事は実施されたものの、竣工から現在に至るまで耐震補強や改修等の工事は実施されていないため、市では19年度(令和元年度)に竹中建築設計事務所(長浜市)に耐震診断を委託。診断の結果、耐震補強の実施について検討し、20年度(令和2年度)に耐震設計を環境空間設計(長浜市)に委託しまとめた。
提供:滋賀産業新聞